シリアばかり空爆されるのはなぜ?第三次世界大戦開始まで残りわずか…?

新年早々、シリアで爆撃

2020年1月1日、シリア北西部イドリブ県サルミンにある学校にクラスター爆弾がぶち込まれて、複数の生徒と先生が亡くなった。戦争に「クリスマス」も「ハッピーニューイヤー」もないのである。

サルミンは4年前くらいに、塩素ガス攻撃でちびっこたちが大勢亡くなった事件が大々的に報道されていたが、あれから4年経った今でも戦地であるのは変わらないのだ。2019年の12月だけでも65人の子供達が亡くなっている。これ、大人も含めたら死者は一体どれくらいになるのだろう。

なんとなく「シリア危機」という言葉は聞いたことがあるが、実際に何が起こっているのだろうか?一体、誰になんの権利があって、攻撃を続けているというのだろうか。

シリア内戦は誰と誰が闘っているの?

北朝鮮並みの独裁権を貫くアサド政権に対して、民主化を求めた民衆(反政府)が歯向かっているといういざこざが原点である。ワンマン大勢の社長に対して、社員が文句を言っているような感じだ。

しかし、それがここまで血みどろ事件になってしまっているのはなぜなのだろうか。ジャイアニズムではないが、敵に恐怖を与えた者が勝つという法則を貫いているからであろう。

民間人が多く住まう地域に兵器を打ち込み、ひたすら駆逐していく。暴力で民衆を黙らせる方法だ。企業で例えれば、代表取締役が文句を言う社員をリストラしていくイメージ。他の社員はそうはなりたくない、と大人しくなる。

兵器の資金源はどうなってるの?

兵器を作り出すのにはお金がかかる。もし全世界がアサド政権を敵とみなせば、輸入輸出をストップして、兵器が作れないようにすれば解決である。そんで政権が疲弊して白旗をあげるのを待てば良いのだ。お金なくして戦いは続けられないのだ。

しかし、いつまでたっても無限に兵器を創造し、市民を殺戮し続けられているのはなぜだろうか。

それは、強大な支援国がいるからである。
プーチン率いるロシアである。

これだけ非道なことをしている政権をロシアが支援し続けるのはなぜか。全ては自国の経済的利益のためである。

ロシアがアサド政権を支持する理由

ロシアは現在、ヨーロッパへの天然ガス供給をほぼ独占している。そこに目をつけたのが、カタールやイラン。大陸を横断する形でパイプラインを作ることで、ロシアが独占していたガス供給の一部を奪おうとしているのだ。

ロシアからしたら、とんでもない話だ。国の儲けを他国に奪われてしまうのだから。パイプライン建設はなんとしてでも阻止しなくてはならない。そこで注目したのが、シリアであった。

カタールやイランが計画しているパイプラインは、どちらともシリアを経由して成立する。パイプライン建設がいつまでたっても進んでいないのは、シリアの内戦がなかなか治らないからである。

そう、内戦が永遠に終わらなければ、パイプラインは建設されない。そうすれば、ロシアは欧州への天然ガス供給を独占し続けられるのだ。

アサド政権を支援していれば、内戦は延々と続くだろうし、仮にアサド政権が勝利したとして、独裁政権に気に入られておけば、「パイプライン建設しないでお願い❤️」と約束することもできる。

人々の安全のために、「原子力発電を無くして全てを自然エネルギーで賄えるようにする」というのが、世界全体的に見れば正解である。にもかかわらず、経済的なことを優先して、原子力発電を増設していく日本政府と、やっていることはなんら変わらないのである。国民一人一人の命よりも、国全体の繁栄の方が重要なのである。

シリアの子供たちは、間接的にロシアが殺していると言っても過言でないのだ。

首をつっこむアメリカ

さて、非人道的な化学兵器を国で撒き散らしたことで、しゃしゃり出てきたのがアメリカである。今更の介入である。国際条約的に化学兵器を使用した国への武力行動は正当化される。4年前のガス攻撃のおかげで、アメリカは合法的にアサド政権を攻撃する権利を得たのである。有利な状況で、ライバル国であるロシアをギャフンと言わせられるのである。

アメリカとしては「アメリカ・ザ・ファースト」。国際社会で一番の影響力を持ち続けたいので、ちょっと目立ちまくりのロシアを負かせたいわけである。当然、アサド政権を敵対視するシリアの民衆を味方する。そして、平気でアサド側の戦闘機にミサイルを発車させる。

やることが壮大でクソワロタ。

そんなこんなで色々な利権が絡み合うことで、戦争の被害は大きくなっている。巻き込まれのは善良な一般市民。この21世紀、我々がやっていることは、第一次世界大戦や第二次世界大戦となんら変わらないのである。

人は学ばない。歴史は繰り返す。