できちゃった婚は悪か
小泉進次郎が育休を宣言した。暇な世間はすでにバッシングモードである。
彼は自民党の中でも良心的な立ち位置であったため、誰もが「将来の総理大臣」になるのであろうと心の何処かで思っていただろう。
しかし、そのイメージが一気にぶっ壊されてしまったのだ。
全ては滝川クリステルと「できちゃった婚」してしまったからである。
実は私、小学生の時から小泉進次郎のファンであった。自分も政界に入れば、そしてなんかちょっと頑張れば、どうにかして彼に繋がれるのではないかとか邪なことも考えたこともあった。
結果的に、政界に入ることはなかったのだが、どんな巡り合わせか、別の立場として奇跡的に彼と関わる機会があった。その時はめちゃくちゃ、もうほんとに、心臓が飛び出るくらい緊張した。
ファン歴が長すぎて、震えた。
というか、もし小泉進新次郎の結婚相手が政府関係者とかであれば、もっと納得してたかもしれない。滝川クリステルって・・!
滝川クリスタルとか、めちゃくちゃ、めちゃくちゃのめちゃくちゃ「ポッと出キャラ」ではないか!!!!!!!!!!!
オリンピック誘致マスコットとして「お・も・て・な・し」スピーチを任命されたばかりに、そんで国側と密接に関わる機会ができたからって・・・・!
その日はショックすぎて、全く仕事に集中できなかった。まあ、それは置いといて。
「小泉進次郎という政界の人物のくせに、なに芸能人と結婚しちゃってるの。しかもできちゃったとかどんだけ浮ついてるの!!!」
世間からの反応はこうだったのだ。
要するに、きったない嫉妬である。
人間ってばすぐに嫉妬する。
「男の育休」が世の中に浸透する
そんなバッシングを受けまくっている中で、「育休」取得を選んだ小泉進次郎。
「3ヶ月に2週間取得」という変化球を効かせた育休なので、どちらかというと「有休」を固めているだけ、という印象ではある。
しかし、彼があえて「育休」という言葉を全面的に押し出して、「子育てのために休暇を取得します」と宣言したことで、日本の若者の働き方を大きく変えるキッカケになったはずである。
もともとそれが狙いだったのであろう。
結果的に誰に影響を与えたのか・・
それは実際に取得する側ではなく、上司側にである。
すでに子育てを終えた世代のほとんどにとって「男の育休」なんて幻想・綺麗事だと考えている。なので、部下に育休を申請されたところで、「ふざけるな」の一言で済ます人も多い。
「会社に迷惑をかける気か」
「みんなのことを考えられないのか」
しかし、自分たちの100倍忙しいはずの小泉進次郎が育休取得を決めたのだ。「一人いなくなったところで組織は回る」ということを今から証明するのである。
現代のよろしくない雰囲気を変えていこうとしているのだ。
「いやいや、周りがその分尻拭いしているだけだからww」という意見もあるかもしれない。
いや、それで良いのだ。
「育休を取る人のリプレイスで忙しくなるのは仕方ない」
一種の多忙期と思えばいいのだ。
突然訪れる災害みたいなものだ。
地震や竜巻が来たところで、誰も責められない。社員の育休だって、災害みたいなものなのだ。緊急事態なのである。我々人間は、それが起こる可能性があると言うことを覚悟した上で入社すべきである。それができない奴は、一人で会社でも起こしてくれ。
厚労省が発表した男の意休取得率
10年前と比べて、取得率が3倍以上上がっているのである。そもそもが低いじゃねえか、とも思えるが、1年で生まれる赤ちゃんの数が約100万人前後とすると、10年前はわずか1万人しか取得していなかった育休取得数が、5万人を超えたのである。
育休を取る男性が4万人も増えたのだ。かなりの実績である。
「男の育休」と言う言葉を政府であったり、育児団体であったり、メディアであったりが、頑張って浸透させた結果である。時代の勝利である。
「イクメン」と言う言葉を忌み嫌う人がいるが、これらの言葉は「男の育児」広めるためる上で必要不可欠なものだったのだ。それを理解せずに「イクメンとか男女社会参画なんたら」と言う言葉を頑なに否定する人は、もうちょっとだけ頭を働かせてほしい。
この言葉が広がっていなかったら、ここまで男性の育児取得率は伸びなかったはずだ。伸びたとしても100年後とかになっていたと思う。日本全体で実行されたプロモーションが成功したのである。
「小泉進次郎の育休取得」と言うビッグワードも、男性育児取得数をさらに促進させるためのPR戦略なのだ。
ピンポイント休暇だから、「有休をたくさん取ります」でよかったところをあえて、「有休とります」と宣言したのである。誰の発案だったかはわからない。しかし、ものすごく重要なことだったと思う。
男の子が生まれたのか女の子が生まれたのか知らないが、とりあえずおめでとう。
おやすみ。